ペインクリニック
神経に対して注射による麻酔薬を投与(神経ブロック)したり、痛みの周辺に麻酔薬をばらまく(トリガーポイントブロック)ことで痛みを抑えるのが従来の治療法でした。
いつできるの?
午前・午後の診療が終わるころに枠を作りります。
目安としては12:00頃~と13:00~、19:00頃~の予定です。
当院でできること
1、下肢神経根ブロック
脊椎の変形や椎間板ヘルニアが原因となった神経根へのブロック(X線透視が必要)
症状の原因となっている神経をピンポイントで治療する方法です。
X線装置が必要になる上に、手技的には硬膜外ブロックよりも難易度があがりますので、やっている整形外科はあまりありません。
この方法は診断と治療に役立ちます。
多くの整形外科でやられているのは硬膜外ブロックですが、患者さんのほとんどは神経根症状(ピンポイントで治療したほうが良い)なので硬膜外ブロックはあまり適切ではありません。
下肢全体がしびれるような馬尾症状の患者さんでは硬膜外ブロックを行います。
2、上肢神経根ブロック
下肢神経根ブロックと考え方は同じですが、治療法が違います。
下肢(足)ではレントゲンの映像を頼りに神経をブロックしますが、上肢(腕・手)はエコー(超音波)を用います。
筋膜リリースの治療法を応用して神経根の剥離および、ブロックを行います。
ここまでやっている施設はほとんどありません。
3、筋膜リリース
エコー(超音波)ガイド下に痛みの個所や癒着している個所を生理食塩水(ただの塩水)を注入することで症状をとったり、軽減することができます。 筋膜リリースのページ
4、関節の動きを改善
50肩のような肩関節が動きにくい患者さんの治療(拘縮解離術)も即日行うこともできます。これは股関節や指などの他の関節にも応用が可能です。
※従来の整形外科的治療ですと、痛みに対して治すというより鎮痛薬で「痛みをごまかす」という方法が主流になっていると思います。適切な診断・適切な治療介入をすれば、痛み止めの薬を飲み続ける必要もなくなります。
もちろん、痛み止めを飲み続けないといけないような患者さんもいますが、できる限り痛みも薬からも解放される治療を提供したいと考えています。
身体診察をして、痛みの原因がどこにあるのかの診断をつけて必要な治療をその日のうちに開始することができるのも当院の強みです。
これらの治療に抵抗性の疾患であれば、手術加療が必要である場合がありますので、適切な医療機関に紹介させていただきます。
5.痛みの原因が脳にある?
最近の研究で、痛みの原因がはっきりしない疾患があることが分かってきました。
脳の「扁桃体中心核」というところが興奮することにより、痛みを感じさせてしまうようです。
その痛みは痛覚過敏といわれ、通常よりも強い痛みを感じやすくなります。
慢性の痛みが継続すると、扁桃体中心核が継続的に刺激されて痛覚過敏を引き起こしているようです。
ですので、慢性の痛みをうまくコントロールしてあげて痛覚過敏を予防することは大事ですし、痛覚過敏を引き起こしていると判断されるなら負の連鎖を断ち切るための医療介入が必要となるのではないかと思います。
これからの研究に注目しつつ、できる範囲で患者さんの痛みをとれるように工夫していきたいと考えています。