ばね指(腱鞘炎)
手の痛みや、指の曲げ伸ばしでの「引っかかり」を主訴に来院されます。
写真に示すような場所での痛みが特徴的です。
左が一般的な腱鞘炎で痛みのある位置、右がドケルバン病と言われる痛みの位置になります。
検査
身体所見で痛みのある個所、ひっかかりの有無、腱鞘の腫脹を触知するかどうかを診察します。
腱鞘や腱自体が肥厚することが多いのですが、たまに腱鞘由来のガングリオンや滑膜炎が原因となることもあるので超音波(エコー)で詳しくチェックします。
治療
症状初期の頃は炎症を抑えてあげるだけで改善することも多く、消炎鎮痛剤を使用します。
その治療法に抵抗性であれば、ステロイドの注射を行います(6か月程度効果あり)。
しかし、再発してはステロイドを打っての繰り返しになることも多く、ステロイドの注射を繰り返すと腱が断裂するリスクが高まることが知られています。
ですので、当院でのステロイドの注射は2~3回までとさせていただいております。
それ以上繰り返すようであれば、手術(5~6分程度)を勧めさせていただきます。
仕事の状況的に繰り返すことが予想されるような患者さんでは、初回から手術を勧めることもあります。
※手の使用を控えてもらったり装具を使用することもあるようですが、現実的ではないと考えますので当院では行っておりません。
手術
上図に示す個所に15mm程度の皮膚切開をおいて、腱鞘を切離します(縫合込みで5~6分程度)。
局所麻酔で行い、日帰り手術で済みます。
糖尿病などの基礎疾患がある方では、簡単な手術の割に細菌感染症のリスクが比較的高いので気を付ける必要があります。
創自体はキレイに治癒します。