へバーデン結節
DIP関節、遠位指節間関節での痛みや変形が出てくるもので、へバーデン結節と言われます。
写真に示すような指の先にある関節にコブのようなものができます。
さらに進行すると変形もおきます。
原因不明とされていましたが、最近の研究で女性ホルモンの不足が原因ではないかと考えられています。
エクオールという女性ホルモンのサプリ(保険適応で使える女性ホルモン薬がありません)を内服していただくと、効果があります。
※ただし、初期の段階で使用する必要があります。ある程度進んでからでは、内服しても効果がありません
この病気の患者さんは比較的多いので、写真に示すようなサプリ(大塚製薬エクエル)を提案いたします。
院内にパンフレットを用意しております。ネット上で定期購入していただくと5%offになるようです。
病気がある程度進行してしまってから内服しても、ほとんど効果がありませんので、適切な診断をつけて早期治療することが必要です。
しかし、病気が進んでも変形を残してDIP関節の可動域が低下するだけで、痛みが消失する時期がやがてきます。
そうなれば、痛み自体はなくなり、生活にあまり支障をきたさなくなるので積極的な治療は必要なくなります。
ただし進行すると、指先の関節に水膨れのような腫瘍ができることがあります(粘液嚢腫 ねんえきのうしゅ)ので、その場合は手術加療をしないと改善は難しくなります。
また、あまりに指の変形が強くなってきている場合は、関節固定術の手術を行う事があります(患者さんがご希望されれば)
手術療法
重度のへバーデン結節の患者さんの来院が比較的多く、粘液嚢腫の患者さんも含めて手術加療を希望される患者さんの来院をいただいております。
方法は、指の第一関節(DIP関節)の爪がある側に皮膚の切開を20mm程度おいて、DIP関節の関節包と骨棘という変形してしまった骨の一部を切除します。
一か所あたり15分程度で終わりますので、手術が一か所であれば指一本のみの局所麻酔で行うことができます。
3か所以上になると、駆血帯(ターニケット)の圧力(これを使うことで、手術中に出血を来さず、良好な視野で手術を行うことができます)の痛みに耐えられなくなる恐れがあるので、腕神経叢ブロックで行います。
この手術を行う事で、指のボコボコした感じはいくらか改善します(ただし、術後早期は指が腫れていますので実感できないと思います)
他の治療法は?
その他の治療法にテーピングがありますが、毎日毎日複数指のテーピングをすることは現実的ではないので、当院では推奨していません。
変形が進み切るまで鎮痛薬を使用するか、エクオールなどの内服でコントロールします。
似たような変形性関節症にブシャール結節(PIP関節、近位指節間関節)があります。
ブシャール結節が進行している患者さんでは、指の屈曲困難を来しておられる方もおられますので、診察をした上で手術加療の提案も含めてお話をさせていただきたいと思います。