鬱病(うつ病)と痛み
痛みや痺れ(しびれ)を長期間患っている患者さんは、鬱病(うつ病)の傾向が強いことが分かっています。
うつ症状があると、痛みやしびれを過敏に感じやすかったり、自宅に籠りがちになってさらに足腰が弱る負のスパイラルに陥ってしまいます。
整形外科という科目は痛みや痺れをメインで扱うので、うつ症状を有しておられる患者さんに出会うこともよくあります。
うつ病の原因が痛みや痺れから来ていないか
この観点で患者さんを診察する必要があると思います。
痛み・痺れを改善させてあげることができれば、心療内科さんなどで処方されている薬からも解放されることができるからです。
なかなか治らない痛みや痺れを抱えている患者さんの多くは変形性腰椎症・関節症・腰部脊柱管狭窄症などです。
現在では様々な治療法が出てきているので、まずは治る(薬が必要なくなる状態)を目標に担当医と相談するのが良いと思います。
逆にうつ病から痛みや痺れがくることも
身体所見や検査などで原因探索をしても、痛みや痺れの原因がわからないことがあります。
身体表現性障害、現在では身体症状症といわれるようです。
患者さんの社会背景を含めた問診をして、この疾患を疑えば抗不安薬などを少量試してみて症状が改善するかどうか判断します。
効果があるようなら、心療内科の専門の先生に紹介させていただいたり、当院でしばらくコントロールしていきます。
この場合も極力薬のない日常を目指してストレスを除去していく試みを患者さんと共に行っていきます。