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手の痛み、しびれ

指のひっかかりや、指の付け根の痛み

腱鞘炎による腱鞘(指を曲げる腱という組織を収めている組織)の肥厚が原因となり、ばね指といいます。

下図に示すように、腱または腱鞘が分厚くなることで、物理的にひっかかることで症状が出ます。

抗炎症薬の使用や少量のステロイドの注射で症状緩和がほとんどの場合で得られます。

複数回のステロイドの注射が必要となるような場合や患者さんの希望があれば腱鞘切開術という手術を行います(局所麻酔で手術時間10分程度)。

指のしびれ

原因として手根管症候群や肘部管症候群、頚椎症(首の神経が原因)となることが多いです。

身体所見やレントゲン・MRIなどから診断を詰めます。

①手根管症候群による症状である場合、保存的加療での改善が乏しいことが多いので、手術加療をおすすめします(局所麻酔で手術時間15分程度)。

図に示すように、横手根靭帯が原因不明の肥厚を来すことで、その下にある正中神経が圧迫を受けることで症状がでます。

※ほかに、腱の滑膜肥厚やガングリオンなどが原因となることがありますが、エコーで診断がつきます。



②肘部管症候群からくるものである場合は、図に示すような肘部管の場所を中心として神経の炎症やオズボーンバンドという靭帯が肥厚したりして尺骨神経を圧迫が原因となることが多いです。

尺骨神経脱臼による神経の炎症や筋間中隔部での狭窄、変形性肘関節症が原因となることもあり、診断がつけば早期に適切な手術をしないと神経にダメージが蓄積してしまって回復しない可能性があります。

保存的加療での改善が乏しいようであれば、手術をお勧めします。(伝達麻酔で手術時間45分程度)

③ギュオン管症候群

一見、肘部管症候群と似たような症状を来しますが、丁寧に診察をすれば診断は容易です。

これも、原因を身体所見とエコーで検索し、必要であれば手術を行います。

頚椎症からくる場合、投薬やカラーなどで改善を図ります。症状が悪化してくるようであれば手術目的に紹介状を作成いたします。

※頸椎症からくる痺れに関しても、筋膜リリースの応用で神経剥離を行うことで効果を認めることがあるようです(情報収集中)ので、患者さんと相談しながらご希望があれば施行いたします。

 関節リウマチ

病歴や身体所見などで関節リウマチが疑われるような場合、レントゲンにて関節破壊や骨がうすくなっていないかを確認したり、血液検査にて抗体の有無などを確認して診断をつけます。

関節リウマチと診断がついてからは内服薬で治療を開始します。

内服薬での治療効果が乏しい場合は生物製剤という比較的高価な薬剤を使用して病勢をコントロールしていきます。

コントロールできないようなケースでは専門病院へ紹介させていただきます。

また、関節リウマチの患者さんでは骨そしょう症をきたす確率が高いので積極的に検査・治療を行っていきます。
リウマチのページもご参照ください



※エコー検査で指の関節などでの炎症の度合いをチェックし、病勢のコントロールが得られてきているかどうかを確認することもできます。

関節リウマチは早期発見・早期治療を行えば、大半が比較的良好な経過を得られます。

写真に示すような変形を来すような患者さんを減らしていきたいので、ふしぶしの痛みがある方は一度受診してください。

 

手首の痛み

1.TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷、Triangular Fibrocartilage Complex損傷)

聞きなれないどころか、覚えれない言葉の呪文のような病名です。

外傷で生じることが多いですが、特に誘因なく痛みが出ることがあります。

丁寧に診察をして、診断をつけて、適切な装具治療を行えば8~9割治癒します。

治癒しない場合には、手術をしないと改善しないので、適切な診断と方針を指示してくれる医師を受診することが重要です。

※整形外科の医師でもこの疾患に対して理解の乏しい方が多い印象を受けます。解剖学的に構成がやや難しいので、やむを得ないかとは感じますが、患者さんは苦しむ時間が長くなってしまいます。

2.尺側手根伸筋ECUの腱鞘炎

比較的多く見受けられますが、これも適切な治療を行えば改善します。

TFCC損傷との鑑別が難しいので、その違いを理解している医師を受診することが望ましいと思います。

3.尺骨突き上げ症候群

前腕の2本の骨の長さのアンバランスにより生じます(尺骨が橈骨に対して2~3mm程度長いことが多い)。

装具療法で症状の改善が得られない場合は、尺骨の短縮骨切り術の適応になりますが、当院では必要な道具がありませんので、適切な医療機関へご紹介させていただきます。

変形性関節症(指)

へバーデン結節、ブシャール結節など

へバーデン結節のページをご覧ください

 

腫瘍による痛み

1.グロムス腫瘍

外来で遭遇するのは1~2例/年ですが、きちんとその存在を疑って診察・検査をしないと発見できません。

寒冷刺激(水を触るだけで強い痛みを感じます)で痛みが出ることが割と特徴的です。

手指・足趾の爪の下にできる(典型的には写真に示すような淡い紫色)ことが多いのですが、下腿や腕などにできることもあるので、存在の可能性を考えておかないといけません。

画像でも見つからないこともあり、家族や友達に「本当に痛いの?演技しているだけなんじゃないの?」という扱いを受けることもある、つらい病気です。

医療機関を受診しても気づかれないことが多く、患者さんはつらい思いを長い時間経験させられてしまいます。

診断さえつけば、手術で腫瘍を摘出しただけでびっくりする位、痛みがなくなります。

今までの痛みは何だったのか、と気づいてくれなかった医師に怒りを覚えてしまう患者さんもいます。

2.神経鞘腫

 

デュプイトラン拘縮

一見すると豆粒のような腫瘤を小指側の手掌(手の平側)に触れます。これが年単位で進行することにより、小指や薬指が強制的に曲がってきてしまい、指を伸ばせなくなってしまう病気です。

手掌腱膜という組織が線維化という変化を来すことが原因ですが、なぜ線維化するのかは分かっていません。

基本的な治療法は手術で原因を切除するか、腱膜を溶かす注射(拘縮を解除する際に皮膚が破れますので、結局手術するのとあまり変わりがありませんが)をするという2種類しかありません。

当院での治療法は手術療法しかできませんので、注射を希望の方は可能な医療機関にご紹介させていただきます。

 

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