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線維筋痛症(全身の痛み)

線維筋痛症という全身性の筋肉や腱などの痛みとともに倦怠感(ダルさ)、睡眠障害などを来す病気があります。

有病率は2%程度とされており、現場の人間からすると「そんなにたくさんいます?」という感じの病気です。

医師になってからも、整形外科医になってからもしばらくはこの病気についての理解が乏しく、何人もの患者さんを見逃していたと思います。

診察した医者が気づいてあげられなければ、患者さんは痛みに耐えなくてはなりません。

そして、職場や家庭では「本当にそんなに痛いの?」というような目で見られてしまいます。

線維筋痛症なのに診断をつけてもらっておらず、つらい思いをしている患者さんは非常にたくさんおられると思います。

ただ、この病気の難しいのは血液検査やレントゲン・エコー・MRIなどの画像が役に立たないということです。

患者さんの身体所見を丁寧にとって臨床的に判断しないといけませんので、通常の整形外科外来では時間的制約もあって難しいと思われます。

全身の痛みがある場合、きちんと身体を触って診察してくれる医師に受診した方がよいと思います。

診断をつけてもらえば精神的に少し楽になれますし、診断名を家族や職場に告げれば理解につながると思います。

治療法

内服薬(鎮痛薬や抗うつ薬、神経障害性疼痛治療薬など)や運動療法、認知行動療法などがありますが、どれも有効性として不十分です。

教科書的には記載がありませんが、筋膜リリースの応用が効果があるかもしれないと感じており、患者さんの同意が得られた場合に施行しております。

一宮西病院時代に外来で線維筋痛症のような患者さんに筋膜リリースを行い、効果を実感できていました(プラセボかもしれませんが)。

データを集めて学会発表・論文作成に活用出来たら、線維筋痛症に悩む人々の活路を見出せるのではないかと感じています。

この世の中から痛みを消し去りたいと思っています(僕自身が痛みに弱いので余計に願っています)

 

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